東京地方裁判所 平成６年（わ）２８３６号 判決
本店所在地
東京都中央区日本橋箱崎町一九番七号
リバーアンドタワービル三階
株式会社
竹中庭園緑化
（代表者代表取締役 竹中幸三郎）
本籍
大阪府東大阪市大蓮北三丁目一〇三六番地の一四
住居
千葉県浦安市日の出五番地 海風の街四－一一〇四号
会社役員
竹中幸三郎
昭和一五年一二月六日生
主文
被告人株式会社竹中庭園緑化を罰金二三〇〇万円に、被告人竹中幸三郎を懲役一〇か月に処する。
被告人竹中幸三郎に対し、この裁判が確定した日から三年間刑の執行を猶予する。
理由
（犯罪事実）
被告人株式会社竹中庭園緑化（以下「被告会社」という）は、東京都中央区日本橋箱崎町一九番七号のリバーアンドタワービル三階に本店を置き、鉢及び植木の貸付け等を目的とする資本金三〇〇万円の株式会社であり、被告人竹中幸三郎（以下「被告人」という）は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していた。被告人は、被告会社の業務に関し、その法人税を免れようと考え、売上げの一部を除外し、架空仕入れを計上するなどの方法により所得を隠して、
第一 平成二年三月一日から平成三年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が四五三〇万七五二四円であった（別紙１修正損益計算書参照）のに、同年四月三〇日、同区日本橋堀留町二丁目六番九号の所轄の日本橋税務署において、税務署長に対し、その所得金額が一三二九万〇一〇三円で、これに対する法人税額が四四二万二一〇〇円であるという虚偽の内容の法人税確定申告書を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、不正行為により、この事業年度における正規の法人税額一七二二万八九〇〇円と申告税額との差額一二八〇万六八〇〇円（別紙４脱税額計算書(1)参照）を免れた。
第二 同年三月一日から平成四年二月二九日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億〇六二四万八五七一円であった（別紙２修正損益計算書参照）のに、同年四月三〇日、日本橋税務署において、税務署長に対し、その所得金額が一五四六万三八九五円で、これに対する法人税額が五〇一万四〇〇〇円であるという虚偽の内容の法人税確定申告書を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、不正行為により、この事業年度における正規の法人税額三九〇五万八四〇〇円と申告税額との差額三四〇四万四四〇〇円（別紙４脱税額計算書(2)参照）を免れた。
第三 同年三月一日から平成五年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億一五八七万一〇一四円であった（別紙３修正損益計算書参照）のに、同年四月三〇日、日本橋税務署において、税務署長に対し、その所得金額が三四五万一八六九円で、これに対する法人税額が八六万九〇〇〇円であるという虚偽の内容の法人税確定申告書を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、不正行為により、この事業年度における正規の法人税額四二五九万四四〇〇円と申告税額との差額四一七二万五四〇〇円（別紙４脱税額計算書(3)参照）を免れた。
（証拠）
全事実について
１ 被告人の
〈１〉 公判供述
〈２〉 検察官調書四通
２ 竹中賀津子及び関口直代の各検察官調書
３ 大蔵事務官作成の売上高調査書、商品仕入高調査書、事務員給与調査書、従業員賞与調査書、雑損失調査書、受取利息割引料調査書、雑収入調査書、事業税認定損調査書及び損金の額に算入した道府県民税利子割調査書
４ 検察事務官作成の搜査報告書四通
５ 登記官作成の商業登記簿謄本及び閉鎖商業登記簿謄本（二通）
第一の事実について
６ 法人税確定申告書一袋（平成年押第一二四号の１）
第二の事実について
７ 大蔵事務官作成の新規土地取得等に係る累積損金不算入負債利子額の損金算入額調査書
８ 法人税確定申告書一袋（同号の２）
第三の事実について
９ 大蔵事務官作成の仕入値引・戻し高調査書、外注費調査書及び雑費調査書
10 法人税確定申告書一袋（同号の３）
（法令の適用）
罰条
被告会社について いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項（情状による）
被告人について いずれも同法一五九条一項
刑種の選択
被告人について いずれも懲役刑
併合罪の処理 刑法四五条前段
被告会社について 刑法四八条二項（各罪の罰金額を合算）
被告人について 刑法四七条本文、一〇条（犯情の最も重い第一の罪の刑に加重）
刑の執行猶予
被告人について 刑法二五条一項
（出席した検察官佐藤基、弁護人小林英明）
（裁判官 朝山芳史）
別紙１ 修正損益計算書
別紙２ 修正損益計算書
別紙３ 修正損益計算書
別紙４ ほ脱税額計算書
(1)
(2)
(3)